お湯でアトピーのかゆみが消える理由・効果と逆効果?

なぜお湯をかけるとアトピーのかゆみが消えるのか

アトピーのかゆみがあるところにお湯(40℃~50℃くらい)を掛けると気持ちよくなり、
かゆみが一時的に消えることは有名です。
しかし、あなたはなぜお湯でアトピーのかゆみが消えるのかの理由を知っていますか?
お湯でかゆみを消すことはメリットとデメリットがあります。
しっかりと理解して、アトピーの改善につながるためにはどうすればいいのでしょうか。

 

お湯でアトピーのかゆみを消すことによる効果とは?

「なぜ、アトピーのかゆみがお湯で消せるのか?」
その理由は、かゆみの刺激よりも熱いという刺激の方が早く脳に伝わるからです。
 
実は、「痛み」・「熱さや冷たさ」・「かゆみ」などの様々な刺激は
脳に伝わって初めて痛みやかゆみを感じるのですが、その刺激が伝わる速度に違いがあり、
優先順位がそれぞれ違うのです。
なので、かゆみより優先順位の高い刺激を与えることでかゆみを感じにくくなります。

 
 

脳に伝わりやすく、優先順位の高い刺激は・・・
 
優先順位が高い ⇔ 痛み > 熱さ > 冷たさ > かゆみ ⇔ 優先順位が低い
 
これは、より命の危険にかかわる可能性が高い刺激ほど早く脳に伝わりやすいという関係になっています。

 
そのため、お湯でかゆみが消えるのはある意味当然なのです。
 

例えば、次のような経験はありませんか?

  • かゆみがあるところを手でたたくと、その間だけかゆみが消える。
    (手でたたいたことによる、痛みは感じます。)
  • 入浴時に、湯船に浸かっている部分だけはかゆみを感じない。
    (顔や首など湯船に浸かっていない部分のかゆみはいつも通り感じます。)

これらも同じ理由で起こります。

 
 
なぜ、「お湯をかけてアトピーのかゆみを消す」という方法だけが強調されて
多くの人に知られているのかというと
それは、効果の持続時間が他の方法と比べて長いからです。
 
手でたたいてアトピーのかゆみを消す場合は、
いつまでも手でたたき続けないと効果が切れてしまいます。
 
入浴中も湯船に浸かっている時は同じような効果を感じられますが、
湯船から出ると効果が切れますし、入浴後の急激な体の乾燥(=過乾燥)もつらいです。

 
 
しかし、お湯でかゆみを消す方法の持続時間は・・・
わずか1分弱お湯を浴びるだけで、長いと数十分も効果が続くことがあります。
 
その理由の1つは、上がった温度が元の温度に下がるまでに時間がかかるからです。

 
 
また、アトピーのかゆみを感じる部分(皮膚)にお湯をかけると
ヒートショックプロテイン(HSP)と呼ばれる物質が作られて、この物質が身体を守る働きを
してくれます。
 
実際にこのヒートショックプロテインのおかげで
アトピーが治ったり、改善したという人もいます。

 
この方法には、デメリットもあると言われているので、やり過ぎには注意が必要です。
例えば、少し熱めのシャワーを1日に数回浴びるだけにするなどの工夫をすることで
デメリットによる悪影響を受けるリスクは低くなります。
 
 
【参照】アトピーに悩んでいる人向けの入浴剤で過乾燥対策をしてみました!